長崎県 長崎南商工会女性部
【事業名】
「びわりデュース」事業
【所属商工会女性部】
長崎南商工会女性部
【代表者氏名】
峰マス子
【事業の概要】
当長崎南商工会地区は、長崎県の南部に位置し温暖な気候により「茂木びわ」の産地である。露地栽培の枇杷は、全部が出荷されるわけではなく、未熟なもの、傷が付いているものなど廃棄されることが多かった。女性部は「枇杷の種」が健康増進に大変有益な効果があることを知り、これを地域の特産品として商品化するためこの事業を実施した。
【事業開始のきっかけ】
21年度、商工農漁連携事業を活用し、本地区の特産品である「枇杷」に関し地域農業者女性の方々と「枇杷の成分等」について講演会を開催し勉強をしていった。そこで本来、枇杷の廃棄部分である種に注目し、リデュースして活用を図り地域の特産品として商品化できないか、まず試作品等の開発とモニターの活用や専門家による商品評価を参考に事業化につなげていくことを目的とした。
【事業の具体的な活動】
「枇杷の種」で何ができるかを検討し、①種を粉末にする。②種の甘露煮。この二つに的を絞り勉強していくことにした。①は実際商品を手掛けている専門講師をお招きして作業工程に係る勉強会を行った。②は種の甘露煮を作って試食会をした。しかしながら健康増進に効果があるといわれている「枇杷の種」も多く摂取するとかえって健康に害することを知り、甘露煮はおいしくて食べすぎてしまい、一日の摂取量を越えてしまうので商品化としては不向きだと判断し、①の種の粉末で商品化することとなった。但し、「枇杷の種」の粉末化は、すでに商品化されてることから、既存商品と差別化するため、女性部らしくネーミング「びわ乙女」、瓶、箱など見た目を重視し高級感を出す工夫をした。
また、商工会らしく専門の講師をお招きし原価計算の勉強会も開催した。今後の事業化を見すえ、今回作製した試作品「びわ乙女」を評価してもらうアンケート調査を実施したところ、多くの返送があり今後の事業化の参考とすることができた。
【助成金の使途】
材料費 45,225円 委託費他 120,000円
デザイン料 80,000円 包装資材他 344,820円
チラシ作製 別途支払
計 607,995円
【事業の成果】
全国の都道府県商工会連合会の皆さま、又長崎県下商工会女性部、長崎市県、長崎市の関係者の方々に協力をお願いし、試飲の結果のアンケートを取った。このことで全国の商工会女性部等に広く周知することができた。また、長崎の大学との交流もでき、今後一緒に物産展等で販売することができることになった。
【今後の展望】
商工農漁連携事業をきっかけに続けた事業で、地域の農業者の方達との繋がりも大切にし、女性部が試作品として作った商品を市場に出すため、今後事業を引き継ぐ方を募集していく。(予定では、女性部有志の方々がNPO法人等を立ち上げて継続していく)
【商工会の担当者から一言】
ここ数年、当商工会は地域の特産品開発や販路拡大に力を入れており、県下を始め福岡県など年に数回物産展出展を開催している。そういう状況下で女性部が今回行った事業は地域特産品開発に大いに貢献できた。また、試作品を作る過程を女性部員が共有することで部員間の結束力が深まった。商品の製作という女性部はじめての試みで、手探り状態で取り組んだ事業ではあったが、農家の方々や、講師の方など周りの多くの方々に支えられ「びわ乙女」として商品化することができた。今後は、この商品「びわ乙女」の販売拡大に向け、女性部としても協力していく所存である。